ちょっと際どいような、見たことないようなアートを見てみたい!そう思った人には、『アウトサイダー・アートフェア』を一度覗いてみるのがオススメ。毎年ニューヨークとフランスで開催されているこのアートフェアは、あんまり美術の教科書には出てこないような、不思議な魅力の溢れたアートに出会えます。これらの作品は「アウトサイダー・アート、アール・ブリュット、セルフトート、ナイーブ・アート、ヴィジョナリー・アート・・・」など言い方は様々ですが、どの作品も心に残るものばかり。
冒頭の美女はケンタッキー州のインスティテュート193 (Institute193) という団体のディレクター、キャット・ウェントワースさん (Cat Wentworth)。この団体はアーティスト・ミュージシャン・ライターとコラボするNPO団体&ギャラリーで、毎年このアートフェアに参加しているのだそう。一緒に写っている作品はアウトサイダー・アートアートを代表する作家の一人、ハワード・フィンスター (Haward Finster) の絵が描かれたボード。
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【ご参照】
過去のアウトサイダー・アートフェアの記事私のブログを読んでくださっている方には「似たようなアートフェアの記事なかった?」と思われる方もおられるかと思います。前週に開催されててお伝えしたのが『
メトロショー (Metro Curates) 』というアートフェア。
『メトロショー』はどちらかというと「フォークアート」というその土地固有の伝統的な民族芸術品が多く、参加ギャラリーもアメリカが中心です。それに対してこの『アウトサイダー・アートフェア』はアメリカ全土とヨーロッパ等からギャラリーが参加し、現存のアーティストの作品が多く、より「アウトサイダー・アート、アール・ブリュット」の要素が濃いアートショウなんです。
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会場前の様子。実は開催前日NYでは記録的な吹雪という予報があって飛行機もほぼ全便キャンセル・地下鉄も停止という非常事態に見舞われましたが、無事開催の運びに!
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そんな天候とは裏腹に会場は大混雑でした。
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毎回、カタログとして販売可能なレベルの冊子!
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早速購入した絵をお持ち帰りの紳士
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とっても目立っていた2人!
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只者ではない雰囲気の入場者も・・・ファウンテン・ギャラリーのブース (Fountain Gallery)
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先日このブログ記事にもしました、ダウン症で耳の聞こえない作家・ジュディス・スコット (Judith Scott) さんの作品が展示されていました。クリエイティブ・グロウス (Creative Growth) というカリフォルニアの障害のあるアーティストを支援するNPO団体のブースです
。現在ブルックリン・ミュージアムでも展示中!
ジョン・ブリルさん(John Brill) Kent Fine Art Gallery。独学で写真を撮るアーティスト
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ケビン・サンプソン (Kavin Sampson) さん、ケビン・モリス・ギャラリー (Cavin-Morris Gallery) より。まるで海賊に襲われ十年くらい漂流をした幽霊船のような船。見た瞬間頭にパイレーツ・オブ・カリビアンの音楽が流れてドキドキワクワクしました。
作者不明の作品、フレッド・ジャンピエトロギャラリー (Fred Giampietro Gallery)
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両面に作品が!
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巨匠ヘンリー・ダーガー (Henry Darger) 。リコ・マレスカギャラリー( Ricco Maresca Gallery) より
アウトサイダー・アートフェアのオーナーである、アンドリュー・エドリンギャラリー (Andrew Edlin) からも、ヘンリー・ダーガーの出展。この絵はブースの表には出されておらず、柱の中の隠し部屋に展示されていました。ギャラリーにあるVIP専用ルームのような、コレクター心をくすぐる仕掛け。
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スーザン・テ・カーランギ・キング (Susan Te Kahurangi King) さんのドローイング。クリス・バーン・ギャラリー (Chris Byrne) より。キッチンのシンクの様子。水が流れ出る蛇口、カップ、石鹸等が、まるで生きて狂ったように動いて見えるデフォルメ感が天才的。ディズニーを素で超えています。
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見応えのある作品が多かった、ギャラリー・ボナール (Galerie Bonheur)
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そのギャラリーボナールからの出展、クレイグ・ノートン (Craig Norton)。彼はアメリカのナイトクラブで見張り人の仕事をしながら、そのクラブの前で自分で装飾した花瓶を売り始めたのがアーティストとしての出発点だったとか。歴史・政治・宗教などに疑問を呈する作品を多く発表しているようです。以前このブログでも取り上げた、黒人の貧困と桃源郷を描き続けたベニー・アンドリューズ (Benny Andrews) をふと思い出しました。
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障害のあるアーティストを支援するピュア・ビジョン・アーツ (Pure Vision Arts) から、ニコール・アッペルさん(Nicole Appel) の作品。作品の緻密さに目を奪われます。(と同時に、迫力のあるスタッフさんにも目を奪われます)
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日本からはギャラリーが2つ出展。こちらは海外のアウトサイダー・アート関係者やコレクターの間でも有名な、
小出由紀子事務所 (Yukiko Koide Presents ) 。
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やまなみ工房の井村ももかさん、鎌江一美さん、工房集の斉藤祐一さん、柴田鋭一さん等の作品が
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まるで水木しげるの漫画に出てきそうなキャラで私の中では有名人のヘンリー・ボクサーさん (Henry Boxer Gallery) 。背後の左には数字にとりつかれた天才、ジョージ・ワイドナー (George Weidner) さんの作品。
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マッジ・ギル (Madge Gill) の小さな作品も売られていました。こ、この値段なら手が出る・・・?
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天才サヴァン症候群画家のグレゴリー・ブラックストックさん (Gregory Blackstock) の作品、ガードレイルギャラリー (Garde Rail Gallery) から。なんと飾ってあるTシャツはコム・デ・ギャルソンの物でした!
さて、コム・デ・ギャルソンといえば。。。
センセーショナルなコラボレーションをして話題になったのが、ロービジョン (Raw Vision)。
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「こりゃー、まじいいよ!」と、会場で配布されたコム・デ・ギャルソン× ロービジョンの水ボトルを片手に。コンスタンチン・グリマルディス (Constantine Grimaldis) さん。すごい迫力だったので、カメラを持つ手がぶれぶれになりました。
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ロービジョンのブース。エディターで評論家のエドワード・ゴメスさん (Edward Gomez)。
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ロー・ビジョンのファウンダーのジョン・メイゼルズさん (John Maizels)
【お知らせ】
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ロー・ビジョンはロンドンで発刊された、世界唯一のアウトサイダー・アート、アール・ブリュットの専門誌です。先日最新号の84号が発刊しました。数に限りはありますが、日本で購入されるならオススメなのが、私もお手伝いしています
こちらのお店。全文英語ですが、英語の練習にもいかが?
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