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Channel: 【ブログ引っ越しました】アメリカぷるぷるアート観光 Altruart in America
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まるで美術館!ニューヨーク最大のロウ・アート・コレクターの自宅

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©Ruby Washington/The New York Times, http://goo.gl/W5fa8n
※写真撮影不可だったため、ニューヨーク・タイムズ (The New York Times) から転載しております。

きーんと寒くよく晴れたその日、私はニューヨークのアッパーイーストサイドにあるラグジュアリーなビルの一室にいました。アウトサイダー・アートやアール・ブリュットといった作品のニューヨーク最大のコレクターである、オードリー・ヘックラー (Audrey Heckler) さんのお宅を訪問する機会に恵まれたのでした。

コレクターの拠点訪問といえば、以前にR/GAというデジタル・アドエージェンシー(広告会社)のファウンダー/チェアマン/CEOのボブ・グリーンバーグ(Bob Greenberg) さんのコレクションをお伝えしたこともありましたが、久しぶりの訪問ツアー。そして私はここで、今まで見たこともないようなよだれモノのコレクションに出会うこととなったのでした・・・。



©Ruby Washington/The New York Times, http://goo.gl/W5fa8n


オードリーさん
は人生のほぼ全てをマンハッタンで過ごしたという、超ニューヨーカー。(ニューヨーク特にマンハッタンは、東京の様に外部から来る人がとても多い場所なので、ニューヨークで育った人をちょっとくだけた感じの言葉で「ニューヨーカー」と呼びます。)また、話をしていた彼女の腕に「タイム・ウィル・テル(Time Will Tell) 」というニューヨークブランドの腕時計を発見し、これは本当に生粋のニューヨーカーだなと感心したものでした。そんな、大らかで博学でちょっと神経質そうな雰囲気を持ったオードリーさん。数時間にわたり、たっぷりと自分のことや作品についてお話伺えました。

彼女が初めてアウトサイダー・アートに出会ったのは、1993年のアウトサイダー・アート・フェアだったそうです。どこかでフェアのポスター広告を見た瞬間、「びびっ」ときて以来、アートの収集が続いたのだそう。運命の出会いだったのでしょうね。

【ご参照】アウトサイダー・アートフェアとは?

そして今はアメリカン・フォーク・アート。ミュージアム (American Folk Art Museum) とフィラデルフィア・ファウンデーション・フォー・セルフ・トート・アーティスト(Foundation for Self Taught Artists) ボードメンバーをされています。



©Ruby Washington/The New York Times, http://goo.gl/W5fa8n

コレクションの一つ、ストーン・エンジェル



事前にニューヨークタイムズ紙の記事は読んで予習していたので、どれほどの作品があるかは把握していたものの、実際のセレクションとその量を目の前にすると、もういちいち声にだして驚いてしまいました。美術館のコレクションの粋です。私が覚えている限りの作家を並べてみます。

アドルフ・ヴェルフリ(Adolf Wolfli)、ヘンリー・ダーガー (Henry Darger) 、フリードリヒ・シュレーダー・ゾネンシュターン (Friedrich Schroder Sonnenstern)、マルティン・ラミレス(Martin  Ramirez)、ユージン・フォン・ブルチェンハイン (Eugene Von Bruenchenhein) 、アロイーズ・コルバス(Aloie Corbaz)、 ジョぜフ・ヨアクム(Joseph Yoakum)、ネック・チャンド(Nek Chand)、ハワード・フィンスター (Haward Finster) 、ウィリアム・ホーキンズ(William Hawkins)、リツォーリ(AG Rizzoli)、オーギュスタン・ルサージュ (Augustin Lesage)、カルロ・ツィネッリ(Carlo Zinelli) 、マッジ・ギル(Madge Gill)、スコッティ・ウィルソン(Sotti Wilison) 、ルボシュ・プルニー(Lubos Plny)、アンナ・ゼマンコヴァ (Anna Zemankova)、ビル・トレイラー (Bil Traylor)、チャールズ・デラショー(Charles Dellschau) 、ジョエル・ローランド(Jo
l Lorand) 、ジョージ・ワイドナー (George Widener)、ヨハン・ハウザー(Johann Hauser) 、オズワルド・チルトナー(oswald tschirtner)、 ドワイト・マッキントッシュ(Dwight McIntosh)、 ウィリアム・ブレイネイ (William Blayney)、日本の作家だと、モンマ(M'onma)、ドイ ヒロユキ(Hiroyuki Doi)、寺尾勝広 (Katsuhiro Terao) 等々・・・・・・・。

・・・まるで索引を作ってる気分。もっとあったのですがこの辺でやめておきます。
この系統のアートの好きな方であれば、このコレクションの凄さが伝わるかとは思うのですが、さらに凄いのは、各アーティストのそれぞれの代表作(もしくはとてもレアな)シリーズの物ばかりが集められていること。
ムンクでいうなら叫びのシリーズが、ゴッホでいうならヒマワリと、かつマイナーだけど天才的なドローイングの作品までもが揃ってる・・・そんな感じです。もしもこの系統の美術の教科書を作るとしたら、ここで借りれば全部事足りる、そんな驚きのセレクションでした。




©Ruby Washington/The New York Times, http://goo.gl/W5fa8n

全部で7-8部屋あったでしょうか。まるでギャラリーの如く、全ての壁面にびっしりと上記の写真のように作品が飾られています。1部屋におおよそ50-100点はあったのではないかと思いますが、途中で数えるのも断念しました。部屋以外にも他に倉庫があるようで、そこに入っている作品も考えると相当な数のコレクションです。

同行した方が「初めて買った作品はいくらくらいの物でしたか?」と聞いたところ、「そんなにしない値段よ、当時の$5000(約60万円)くらいね。」とお答え頂き、はぁーーと溜息が出たものですが、特に奢る様子もなく素直に教えてくれるので、聞いていてすがすがしい思いでした。

またそれを聞きながら私自身が初めて買った絵のことを思い出していました。高校2年生の時に、若い現代アート作家さんから6000円で絵を買いました。当時にしてみれば、食べられもしない着ることもできない「絵」なんて物に6000円も使う自分に、相当ドキドキした覚えがあります。



©Ruby Washington/The New York Times, http://goo.gl/W5fa8n

落ち着いた赤色の壁のベッドルーム。そこにも沢山の作品が。思わず「本当にここで寝ているのですか?」と聞いてしまった程です。さらにオードリーさんがクローゼットを開けると、なんとそこにも、絵!「ここも服じゃなくて絵が入ってるのよ。変でしょう」と静かに笑う姿に、作品への深い思いを感じました。

彼女はこれまで多くの作品を購入してきましたが、実は一度も売ったことがないのだそうです。そして「自分の死んだ後のことを考えたら、この素晴らしい作品たちをどうしようか迷っているの・・・多分美術館に寄付するでしょうね。私の子どもたちにとっては全然興味のないものだから’。。。」と。私の頭には、佐々木芽生監督作品の映画の「ハーブ&ドロシー」がよぎりました。(生涯ずっと作品の収集を続け、一切売ることはせず、その4000点にのぼるコレクションを入場無料の国立の美術館に寄付した老夫婦の映画です。)





雑誌ロー・ビジョンの最新84号(こちらから購入できます)にも彼女の自宅の様子が掲載されています。これ最新号なので、最近のインタビューなはずなのですが、私がお伺いした時と、壁にはってある作品のセレクションが違うことに気が付きました。その時々でギャラリーのように展示を変えているのがよく分かります。

絵を買うって、なんでしょうね。私の兄が今1枚絵を購入したいらしく、私に連絡をくれました。玄関に飾るから本当に好きな物を選びたいとメッセージをもらった時には、とても嬉しい気持ちになりました!




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キース・ヘリング風カップケーキ

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©Nicholas Becerra


アート大好きニューヨーカーNicholas Becerraさんが、ニューヨークでアリーシャさんが経営するケーキ屋さん B'Licious Sweets にて販売されていたキース・ヘリング風カップケーキの写真を送ってくれました。綺麗にアートがのってますね。そしてものすごくアメリカンです。果てしなく甘そうですが、アートへの愛は感じます。食べてみる?



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【病院 × アートのコラボ】入院中の子供が楽しめるアート企画 in サン・フランシスコ

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Amy Snyder © Exploratorium, All rights reserved


これはサン・フランシスコにある
エクスプロラトリウム(expl◯ratorium)という科学博物館と、UCSF ベニオフ小児病院 ( UCSF Benioff Children’s Hospital) のコラボレーション企画。先日、石黒敦彦さんがフェイスブックでシェアされていたのを見て、とてもいい記事だったのでご紹介です。

※石黒さんはサイエンス・アートの研究者で、著作も多く出版され、日本各地の芸術大学で講師をされています。現在多摩美術大学では石黒さんによる「福祉とアートマネジメント」講座が受講できるとか。障害のあるアーティストを支援する施設が日本には沢山ありますが、そういった団体をマネジメントしていくための知見を、学芸員の卵たちに教えられているそうです。多摩美生、うらやまし!

エクスプロラトリウムは1969年にサン・フランシスコにオープンした、サイエンス・アート・人間の知覚に関わる様々な物を展示するとてもユニークな参加型・体験型の科学博物館です。サイトに行くとわかりますが、以下の様な単語(サイトからランダムに抽出してみました)にドキドキしたら、行って来い!です。

アート、天文学、宇宙探索、化学、色彩、文化、地球・海洋と大気、電気と磁力、エナジー、エンジニアリングとティンカリング、食物と料理、地質学、熱・気温・温度、人体解剖学、言語
、生命科学、光と視覚、数学、心理学、物質と運動、歴史、錯覚、音・聴覚、スポーツ科学、時間、水、波長、、、

これだけ並べりゃ人間8割ひっかかるだろと思うかもしれませんが、まさしくその通りで、
サン・フランシスコで最も人気のある施設の一つなのだとか。見てみて、この博物館内の写真。



©www.mccallssf.com


©www.monkeylikeshiny.blogspot.com


サン・フランシスコに移住したくなりましたよ。私は。

さあ・・・本題に戻します。この企画の目的は、入院患者さんに開放感と好奇心・それも幸せ(健康)に向かって「自ら体験しにいく学びの機会」を持ってもらうこと。エクスプロラトリウム側が用意するのは病室にラップトップサイズのモニター、病院内のロビーに設置する8メートル強のサイズのディスプレイボード等。病室内のモニターでは、子供がそこに絵を描いたり、ライトで遊んだり、ストップモーションアニメ(いわゆるクレイアニメ)が簡単に作れて、さらにその作品を友達・家族にシェアすることができます。孤独な時間を過ごす子供に、楽しみだけでなく学びも提供できる仕組みです。



Amy Snyder © Exploratorium, All rights reserved

投影された日常の物が虹色の影で楽しめる装置



Amy Snyder © Exploratorium, All rights reserved

身の回りにある「普通の物」が、顕微鏡を通してモニターに映される。
入院する子どもには見飽きた毛布やパジャマが、’全く別の魅力を持って目に映ることでしょう!



Amy Snyder © Exploratorium, All rights reserved

一方、ロビーに取り付けられたディスプレイボードには、サン・フランシスコ湾に面した低速度カメラの映像を通して外の世界を楽しむことができます。さらにディスプレイ上のノブを回すと、時間を遡った映像も楽しめます。子どもたちは病院内にいながら、行き交う船や変わりゆく天候を目にすることができるのです。



Amy Snyder © Exploratorium, All rights reserved


病室内とロビーだけではなく、子ども専用のエレベーターができたり、廊下に展示物ができたりと、入院中の子どもが精神的にハッピーな状態で過ごせるような仕組みが色々設置される予定。



Amy Snyder © Exploratorium, All rights reserved

こんなの病院にあったら楽しい気持ちになりますねー!


このプロジェクト、実は子どものためだけでなく、科学館と病院の双方にとっても大きな収穫があったようです。先進的といわれるこのエクスプロラトリウムにとっても、今回のような(特に「病院」という特殊な場)とのコラボは新しい取り組みだったので、プロトタイプとして実務レベルのノウハウが大きく積み上がったそう。病院特有の安全・衛生に関わる必要条件はとても厳しく、それをクリアしながら設置していくことは大きな課題だったとのこと。どんなことをするのにも一番時間をかけて乗り越えなくてはいけないのはこの部分だったりしますよね。

病院側としても、楽しむことをヘルスケアの現場に取り入れる姿勢を学び、これは今後世界中で新しい医療施設を作る際の意識・構造上のロールモデルになるだろうとのことです。

私的には、何もすることがない方が想像力は育つのかも、と思うこともありますが、こんな素晴らしい遊び道具ができれば、病院で苦しい体験をする子どもにとって、何かの光を見つけるチャンスになるのかもしれません。子どもにとって「病院は怖い」というイメージがなくなる日も近い…?

アートと他業種の組み合わせで広がる世界はまだまだありますね!



 ←思い出のサン・フランシスコ~♪
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アーモリーショウ The Armory Show 2015 その① 現代アート会場

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2015年3月5日~8日に開催されたアーモリーショウ (The Armory Show) 2015 に行ってきました。初日は雪の降る中の開始・・・でしたが、会場はシャンペン片手に多くの人で大盛上がり!

1994 年から始まったこのアートフェアは、ニューヨーク・アメリカでも最大かつ老舗。さらに今年は総勢197ギャラリーが参加という、アーモリーでも記録的な開催となったようです。その他のアートフェアに参加するギャラリー数が多くても100以下であることを考えると、この規模が伝わるかと思います。

ちなみに
今回のパートナーシップは、デロイト、ART SY, Edge of Arabia、 Art Jameel、 ティファニー、ペリエ等。(もっと分かりやすい大企業の協力があるのかなと思いきや、そうでもないのが意外なところ。)

【ご参照過去記事】
主にニューヨークで開催されているアートフェアレポ


また、毎年このアーモリーショウに合わせてサテライト的に復数のアートフェアが開催されています。アメリカ国外から参加するギャラリー、コレクター、プレスなどが一度に回れるようにするためです。ところが今年のこの週末、ニューヨークは過去最大のアートフェアラッシュを迎えていました。種類は色々ありますが、なんと総勢13種類のアートフェアが同時進行・・・・。アートコレクターやプレスの方などは一体どうやって回りきったのだろうと疑問に思います。ギャラリー側も出展するフェア選びに慎重だったところもあるはず。この「アートフェアラッシュ」について言及するアートサイトなんかも見られました。






さて、アーモリーの会場は「Piers 92 & 94 ( ピア92と94)」という、マンハッタンの川沿いにある大きな埠頭の2つが使用されています。なので、会場の外はコンクリのうちっぱなしに旗広げただけ、、というざっくりしたもの。またこれが会場内のゴージャスさとのギャップがあって、いい味だしてるんですよね。

この2箇所のピアは、現代アートとモダンアートで会場が分かれています。雰囲気で伝えると、現代アート会場はシャンパン片手にド派手な人がワンサカ・・・、モダンアート会場はもっとしっとりと落ち着いて一つ一つ見ていく感じ。モダンアート会場側には、アウトサイダー・アート系のギャラリーも幾つか参加しています。





会場に入ると麗しい受付嬢と、初日のVIP客達に無料で配るカタログの山。




現代アート会場に入って早々にアーティストのHiroyuki Doi さんに遭遇。
笑顔のとても素敵な通訳兼秘書的な方も入って頂き、写真を1枚、パチリ・・





まずはシャンペン片手に回ろうと、バーのエリアに行ってみると、この人だかり。




見るからにアーティストさん たちも沢山いましたー。




会場散策を始めます。




ブーツの彫刻。ちょっと水玉模様みたいでカワイイ




ピンク色の壁面で、一際目立っていたギャラリー




オフィスビルの受付などに飾ってあると映えそうな作品です!




売れたのでしょうか?作品を張り替えるギャラリスト達




ちょっと休憩、のコーヒー・軽食コーナー。




額が反対向きに飾られている・・・・・




アンディー・ウォーホルのキャンベル缶の作品をアートに配置





アーモリーショウにはNPO枠というのがあり、ノンプロフィットのギャラリーも参加しています。ぱっと見た瞬間からなんとなくその系統のギャラリーは分かります。イギリスから参加したNPOギャラリー、ホワイトチャペルギャラリー ( Whitechapel Gallery )。




同じくイギリスから参加のNPOギャラリーで、The ICA




さて、次回は私の大好物でもある、アートとグッズのコラボのショップを中心に、NYで有名なアウトサイダー・アートやアール・ブリュットから現代アートまでを取扱うギャラリーの紹介です。後半に続く!



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本日よりアートフェア東京開催!

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3月20日よりアートフェア東京が開催しています。 すでに昨日のプレビューで、素敵なアートを手に入れたコレクターの方もいるのではないでしょうか。今回は日本国内外から130のギャラリーが集結。現代アートから日本画・アンティークなど、バラエティー豊富な作品達に出会えます。2014年は延べ約5万人の入場者があったそうですが、今回も同等以上の来場を見込んでいるようです。

先日からお伝えしているニューヨーク/アメリカで最も大きなアートフェア、アーモリーショウの2015年のギャラリー総参加数が197ブースで、入場者は延べ約6万5千人(2014年)であることを考えると、このアートフェア東京の規模の大きさがわかります。



Donald Mitchell, Untitled, 2000, Ink on paper, 15 x 22 inches 

アメリカぷるぷるアート観光的に注目しているのは、サンフランシスコのクリエイティブ・グロウス(Creative Growth Art Center) という障害のあるアーティストを支援するNPOギャラリーが初出展していること。小出由紀子さんのギャラリー(Yukiko Koide Presents) とのコラボで実現したものです。

この
ギャラリーの作家の作品は、スイスにあるローザンヌ・アール・ブリュット・コレクション(Collection De L'art Brut) や パリにあるabcdコレクションにも多く収蔵されていて、今や世界中に足場を広げる勢い。所属アーティスだったジュディス・スコットさん (Judith Scott, 1943-2005) は先日NYのブルックリンミュージアムで展覧会がありました。そんなワールド・ワイドなキャラリーが、ここにきてアジア進出というのは、とてもユニークな視点です。香港・シンガポールなど、アジアのマーケットは広いですからね。

【ご参照】ダウン症で、耳の聞こえない芸術家ジュディス・スコット

上の画像は代表アーティストの1人でもある、ドナルド・ミッチェル(Donald Mitchel) さんの作品。ドナルドさんの作品にはいつもこの小さな人が沢山登場。彼の作品を使用したグッズもとてもかわいいです。



Aurie Ramirez, Untitled (AR 099), 2009, Watercolor on paper, 15 x 22 inches



私の個人的お気に入りは、 アウリー・ラミレス (Aurie Ramirez)さん。アウリーさんは、アダムス・ファミリーとロックバンドのKISSの熱狂的ファンで、そこに18世紀のダンディズム・ビクトリア調のドレス・カーニバルの仮装・サイケ・グラムロックなどのスタイルを掛けあわせたものに、妄想のスパイスを振りかけて、でも仕上がりはメルヘンチックという不思議な作家。数年前に思わず絵を買ってしまいました。


Dan Miller, Untitled (DM 304), 2009, Ink on paper, 22 x 30 inches


ダン・ミラーさんの作品。自閉症と診断され、クリエイティブ・グロウスに通う。常に彼が描くのは言語だそう。人名・地名・名刺・数字・アルファベットが交錯しています。普通におしゃれ!



Alice Wong, Untitled (AW 043), 2014, Acrylic on found postcard, 3.5 x 5.5 inches


アリス・ウォングさん。ビンテージの観光絵葉書やアンティークな古い写真に鮮やかな着色を施す。




Kim Clark, Untitled (KC 030), 2011, Ink on paper, 22 x 30 inches


キム・クラークさん。エルビス・プレスリー、「トワイライト・サーガ」から新作映画まで、ポップカルチャーを愛し、そこからインスピレーションを得る。映画のポスターや印刷物からキャラクターを取り出し、独自の場面に挟んだ肖像画を製作。



Ed Walters, Untitled (EW 035), 2011, Watercolor and ink on paper, 11 x 15 inches

エドワード・ウォルターさん。定木とステンシル等を用いて、幾何学形態を組み合わせた景色を描く。「音楽はもうたくさん」「職場で言おう」など、色々皮肉に満ちたメッセージが絵画の中に描かれていることがある。


Artworks (c) Creative Growth Art Center
Photo Courtesy Yukiko Koide Presents


アメリカでも老舗かつ先進的なクリエイティブ・グロウスのアジア進出で、何が起こっていくでしょうか。今後の行方も楽しみです。今回のこのフェアには、障害のあるアーティストの作品を扱うギャラリーが実は複数出展しています。福祉施設という枠組みを取っ払って、どんどん外に開かれたギャラリーが生まれているのを感じます。

アートフェアはまだまだ始まったばかり。週末は是非遊びに行ってみてください!

会場:
東京国際フォーラム地下2階 展示ホール (東京都千代田区丸の内3-5-1)
会期:
3月20日(金)11:00-21:00
3月21日(土)11:00-20:00
3月22日(日)10:30-17:00


 ←アートを見に行く生活、してみよう。
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視力検査

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20/20 vision #athomewhileaway #dslr #latergram

A photo posted by Nathan Fitch (@nathanfitch) on




写真家ネイザン・フィッチさんの作品。彼のお父さんのようですね。こういうのとても好きです。ネイザンさんはミクロネシアの子どもたちをスケートボード・写真・映画を通じて支援しています。
ネイザンさんの写真作品がみれるウェブサイトNathan Fitch.com



 ←体調によって見え方って変わるよね。
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アーモリーショウ 2015: 後編 アートグッズとアール・ブリュット系ギャラリー

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先日から、ニューヨーク/アメリカで最大のアートショウの一つ、アーモリーショウ(2015年3月5日~8日)の様子をご紹介しています。
【ご参照】アーモリーショウ 2015: 前編  現代アート会場

現代アートとモダンアートに会場が分かれていて、お次はモダンアート側へ移動。その途中にアートショップがあったので立ち寄りました。(アートの他業種とのコラボは過去にも多岐にわたり、私はいつも注目しています。)

個人的にキース・ヘリングって「絵」自体に特別の魅力を感じないのですが、こういうグッズになったり何か他の要素が加わった途端、すごい威力を発揮しますね。この木のマグネット可愛かったー。高価な絵ばかりを立て続けに見たので、ほっとするブースでした。




もう夜なので暗いですが、元気なグッズたち。




赤ちゃんに引っ張らせたいです




カラフルなスケートボード




石鹸や馬の写真がプリントされたお皿。以前ブログでも取り上げました。
モマでも絶賛発売中だったマウリツィオ・カテラン(Maurizio Cattelan)さんのプリント




ここまでド派手なリュックはあまり見たことがありません




モダンアート会場では、アメリカぷるぷるアート観光的には注目の「アウトサイダー・アートやアール・ブリュットなどの作品を展示する」ギャラリーが見られました。そういったギャラリーの多くはアウトサイダー・アートフェアに出展するのですが、最近はもっとより広い見地から、現代アートのフェアに参加するギャラリーが増えています。こちらはシカゴのカール・ハンマー・ギャラリー (Carl Hammer Gallery) 。




アウトサイダー・アート・フェアのオーナー、アンドリューさんによるアンドリュー・エドリン・ギャラリー (Andrew Edlin Gallery) 。このギャラリーはアウトサイダー・アートという枠組みを超えてインディペンデント(参加ギャラリーの質も高く話題の新しいアートフェア)等にも出展する勢いのあるギャラリーです。




同様にアウトサイダー・アートやアール・ブリュットの作品から現代アートの作品も多く揃える、リコ・マレスカ・ギャラリー (Ricco/Maresca Gallery) 。このギャラリーはいつもブースの1部をダークグレーに配色しているので、遠目からにも分かりやすいです。




右奥の壁にジョージ・ワイドナー (George Widener) さんの作品が見えます.サヴァン症候群であるジョージさん。ジョージさんは西暦180年以降数万年先(数百万年先まで、という説も)の日時と曜日まで、コンピューターよりも早く言えるという「数字にとりつかれた天才」!




ふらりと寄ったブースで気になった作品。一瞬、カルロ・ツィネッリ(Carlo Zinelli) かしらと思ったのですが別物。スタッフの方に聞いてみると、アウトサイダー・アートでもアール・ブリュットでもセルフトートでもないアーティストだとのこと。イラン人のパルヴィズ・タナボリ(Parviz Tanavoli) さんの作品。




同じくパルヴィズさんの作品。古代文明を彷彿とする作品群。素敵なでした。

なおアーモリーで行われていた様々なプロモーションなどについては、ニューヨークの有名ブロガー りばてぃ さんによる、ニューヨークの遊び方でとても分かりやすく書かれていますので、参考になります。是非ご覧下さい。

【ご参照】ブログ:ニューヨークの遊び方
アーモリー・ショー会場で見かけた様々なプロモーション




アーモリーショウのエキジビター・リレーション・マネージャー、リーシーさんと、
アトリアインカーブの林さん、三宅さん。お世話になりました!どうもありがとうございます。



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ロニー・ホーリー/オール・レンダード・トゥルース

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Lonnie Holley/ All Rendered Truth

あなたは、どこが自分で、どこまでが自分なのか、指差せますか・・・?
顕微鏡でみたら、皮膚と空気を隔てる線とか、なくありませんか。。。?
じゃああなたはどこまであなたでしょうか。

なーんてね、みんな、今日はこれでも聞いて、寝とけーーー。

このアーチストのことはまたおいおい。きっと5月頃。




 ←たまには、うたう?
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ヴォルタ アートフェア (Volta) 2015

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3月5日(木)~8日(日)の週末、ニューヨークはとっても賑やかな週末となりました。というのも、ニューヨーク/アメリカ最大のアートフェアの1つ、アーモリーショ ウ(The Armory Show) の会期に合わせて様々なフェアが同時に行われたためです。「アーモリーウィーク簡単ガイド」(Your Concise Guide to Armory Week 2015) によると、そのフェアの数がなんと13もあったのだとか。

中でもこのヴォルタ (Volta) はアーモリーの姉妹イベントで、ギャラリーが「単独(1人)のアーティストのみ」を出展するというユニークなもの。今年は93件のギャラリーが軒を連ねました。




会場はアーモリーのすぐ隣のピア(埠頭)で行われます。雪、ふってるなー





会場内を散策します。全体的に落ち着いていて好印象。



座っている方もアートの1部にみえる




絵画と映像のメディアアートな作品も




テニスラケットの網の部分に施されたアート。イタリアのMasimo Carasi ギャラリーから、
レオナルド (Leonardo Ulian) さんの作品。




同じくレオナルドさんの作品。鉄線と電子回路基板の部品を使って作られています。
素材からは想像できないカワイイ作品!




干し草が敷き詰められたベルリンから参加の Dittrich & Schlechtiem のブース




科学の実験室の1部を切り取ったようなブース、ワクワクします。
(どこのギャラリーだったか忘れてしまいました)




木の切り株に映された映像がとても立体的に見えます




日本から参加していたYOD Galleryが展示する新野洋さんの作品





天井から吊るされたオブジェ。花の塊のように見えますが、近づいてみると
まるで植物がそのまま虫になったような繊細なピースで出来上がってました。




こちらも新野さんの作品。昔ムツゴロウさんが何かで紹介していた
ハナカマキリという虫を思い出します。




世界中から集まるギャラリーの中で、日本からはこのYODと、Gallery Momo、MA2 Galleryの3件のギャラリーが参加していました。次世代に活躍するであろうアーティスト発掘に、足を運んでみるのも面白いです。




ところで・・・。アートフェアには大概パートナーホテルというのがあります。ヴォルタの今年のパートナーは、ハドソンホテル (Hudson Hotel) 。NYの中の立ち寄りお茶スポットとして、私のお気に入りのホテルのひとつ。


ビルとビルの合間に作られたテラスと、館内の図書館のようなバーが気軽に入れる割に凝った作りで楽しめます。何度もNY観光に来られている方でおまだ行ったことがなかったら、オススメの休憩場所です。




 ←アートフェアの合間に、お茶でも、一杯
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マルティン・ラミレスのタトゥーをいれた男性

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©Michael Noland, https://www.facebook.com/michael.noland.9


マルティン・ラミレス (Martin Ramirez, 1895–1963) が好きすぎて、その作品をタトゥーにした、マイケル・ノーランド (Michael Noland) さん。背中からたっぷりと愛情を感じます。しかしこんな大胆なタトゥーにするとは、相当の愛です。天晴。





タトゥーの作品に似ている画像ですとこれでしょうか。
マルティン・ラミレスはアウトサイダー・アートやアール・ブリュット、セルフ・トートアーティストとして最も有名な作家の1人。(その作品価格もやっぱり高額!)。

少しだけ、マルティン・ラミレスについて紹介します。
彼は15歳から25歳の間にメキシコでの貧困生活に耐えかね、意を決して「アメリカへの国境超え」をしました。ビザを持たずに国境を超えるのは当然違法行為。相当の決心をしたことでしょう。しかしその後彼を待っていたのは、過酷な労働者生活でした。鉄道工事人として長年働いたマルティンは、その劣悪な労働条件とカルチャーショックから体を壊します。さらにそこから精神病を発病し、言語能力をも失う事態に。その為成人後の生涯のほぼ全てを精神病院で過ごすことになりました。

そんな彼が絵画を描き始めたのは50代になってからのこと。当時マッシュポテトで張り合わせた紙に絵をかいていたため、不衛生!とのことで、彼の絵は捨てられたそうです。(これ、もしも誰かがこっそり未だに持っていたら、今頃億万長者です。)

彼はこっそり隠し持っていた自分の作品を、精神科医のタルモ博士に見せます。彼の協力によって、それ以来創作に専念することができるようになったそうです。マルティン・
ラミレスの作品は先日アメリカの郵便局から切手が発行され、また注目が集まっています。

先日この切手をオーダーしたので、届くのをホクホクとまっているところ。ホクホク。
でもノーランドさんほどこの切手の発売を喜んだ人間はいないだろうな。


日本でもこういう切手が発売されたらいいのにと思います。


 ←最近手紙送りましたか?
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路上の人

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https://www.facebook.com/humansofnewyork?fref=photo


奥野乃さんがフェイスブックでシェアされていました。ニューヨークの路上の人。この服装みて
宮間英次郎さんを思い出す方もいるのでは。(宮間さんは「服装がアウトサイダー・アート」ということで注目された日本人で、フランスでも日本のアール・ブリュットとしても紹介されました。気がつけばグローバルな有名人になっていました。)

さてこの路上の彼ををよく見かける人の書き込みによると、とにかくナイスな人柄であることが報告されています。いい人そうなの、わかりますね。きっと野鳩や野鹿も、彼にはよってくることでしょう。



 ←好きな服をきて外にでよう
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【アートと切手のコラボ】マルティン・ラミレス、障害のある子どもの絵

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待ちに待っていた、マルティン・ラミレス(Martin Ramirez, 1895-1963)の切手がアメリカの郵便局で発行されました。マルティン・ラミレスはアウトサイダー・アート/アール・ブリュットでは巨匠作家の1人。マルティン・ラミレスの興味深い略歴はこちらで紹介しています。代表的な作品5種類が切手と封筒バージョンで使用されています。手紙をいつ誰に出そうかウキウキしてきます。



この切手1枚で通常のサイズの手紙が一通分





どれから使うか迷います




このシカの顔・・・



そこでふと、「障害者とアート」というキーワードで切手は発売されていないもんなのだろうかと検索してみると、とんでもなく可愛いマレーシアの切手を発見しました。2013年にユニセフがマレーシアで行った、障害のある子どものアート作品を記念切手にした企画



Stepania Tam Zhu Shin, Colours of My World, Oil Pastel/Crayon ©unicef



1つ目は発達障害と自閉症のあるステファニーさん、14歳の作品。

ステファニーさんより:
人生は1枚の絵のようなもの。私はそれをカラフルにしたいんです。私の世界には沢山の花々と泡と鳥たちがいます。彼らは、私がこの世界で生きる間に授かる平和を表しています。真ん中にいる天使は、友情と愛に溢れた私の周りにいる人々を表しています。また私は音楽がとても好きです。なぜならば、音楽は平和と幸せをもたらすから。この世界はなんて素晴らしく、色に溢れているのでしょう!



Intan Syafienaz Biniti Mohamad Bakhid, One Malaysia ©unicef



進行性筋ジストロフィー症候群のインタンさん17歳。

インタンさんより:
障害のある私は、いつも他の健常者グループの集団とは離れていたいと思っています。マレーシアには私のような障害のある子どもがたくさんいます。彼らは助けを必要としています。人はそれぞれ違う能力や弱さを持っているです。



Lovira Jospely, Friendship World ©unicef



聴覚障害のあるロビラさん14歳。

ロビラさんより:
これが聴覚障害の人の世界です。私達はみんな同じマレーシア人です。聞き取って表現するために心と手を使っている限り、何も違いはありません。私たちはたくさんの違う文化を持つ友人と調和した世界に住んでいます。人々はいつも私の世界は静かだと思っています。私はとても活動的な女の子。私はいつもパフォーマンスに参加します。私は演劇もダンスも歌もできます。私が手で歌詞を表し、表情でメロディーを伝達するからです。私はマレーシアを旅行してまわるという夢があります。この国は私に夢を叶える勇気とサポートをくれるからです。OKU(障害のある人々を)愛してください。彼らを特別な場所に押しやらないで、彼らの手を握って、全ての道をガイドしてあげてください。神さまは私達を色んな方法で違うように作る、そういう意味で、私達はスペシャルなんです。


シート全体がめっちゃくちゃかわいいです ©unicef




3人の集合写真 ©unicef







 ←誰に贈ろうか、手紙。

ワンクリックの愛で日々支えられております。


未だにそれを無視しているんだ。 ゼイビエ・ドネリー

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夜中考え事をしながらソーホーを歩いていたら、ビルのショーウィンドウにアート作品を見かけた。
私のレーダーが反応した。

この作品は、ゼイビエ・ドネリー (Xavier Donnelly) さんの作品。
スコラスティック (Scholastic) という、全世界の子どもに可能性をひろげるための本をつくろう、というミッションの出版社のウィンドウで、ゼイビエさん自信の読書体験とともに作品を紹介したものでした。



https://artmarkit.com/blog/art-to-art/art-to-art-xavier-donnelly/


「ぼくは成長過程で言葉が発声出るのが遅かったことも幸いして、何時間使って何度も本を読み、イラストの上に指を走らせ、自分の想像の物語を作り上げていったんだ。その自分の想像力は本を超え、床、おもちゃ、木のブロックにも広がり絵を描いた。幾度と無く同じ本を読んだけれど、自分がどんな視点でみるかによって、そのたびその本はまったく違うものになった。」




"All the signs pointed but I ignored them still"
全てのサイン(指示)は行く先を示していたけど、僕はそれを未だ無視している。


道に立ち止まって、何度もよんでしまいました。

決められた何かにのる必要はない。何か宇宙規模で決まっているような運命も
無視することはできる。それもまた含まれた道しるべなのかもしれないけれど。

ところでこの数ヶ月、色々と考えることがありまして、ブログアップをしていませんでした。改めて障害とアートのこと、自分のことなど考えるような時間でした。


ゼイビエさんの作品。 ©Xavier Donnelly



7月に武蔵野美術大学にて講演をさせていただいた際、視覚障害のある方のエピソードをお聞きしました。

全盲の方なのですが、いわゆる担当の先生が彼が目が見えないことに対して「才能がある、素晴らしいことなんだ、個性だ!」と賛美したところ、
「じゃあ、先生も、目えつぶしいや」
と返ってきて、先生絶句。 という話。


障害というのは個性だし、それで持って生まれた才能もあるからいいのか。
障害というのは、治るなら治ったほうが「いいに決まってる」のか。
当事者とそのご家族にとっては、何いってんだ?と思われようなことを書いているかもしれませんが。

私には判断ができず。ただ、違った視点から同時に感じられるような自分でいたいと思っています。

できることは、作品が素晴しければ、それを色んな人に紹介すること。手がないからドアを開けてくれとなれば、開けること。治りたいと切望しているひとが治ったら、治りましたね!!!ということだけだと。


人のすすめで、難解ですが
ヘレン・ケラーまたは荒川修作 という本を少しずつ読んでいます。



最新号 ロービジョン No86 発売中

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お知らせ:

シービーエンタープライズにて、 ロービジョンの最新号が発売しています。
こちらから
http://shibee.shop-pro.jp/?pid=93406008


※このブログで紹介し初めて、わりとすぐに売り切れてしまっているので、
お早めの購入をおすすめします。もう前号と前前号はソールドアウトとのことです。






毎回恒例、ロービジョンでしか拝めない、世界ロービジョン的展覧会情報から





今回のメインはやはりハワード・フィンスター (Haward Finster) 
今月号は表紙もなかなかいいですね。

ハワード・フィンスターの絵はとても好きですが、
西海岸にあるフィンスターの夢の城「パラダイスガーデン」に
行き逃したことが大きな思い出。

(あまりにも危険なエリアのためにイトコに運転を断られてしまった)



徳島県立美術館に作家紹介がのっていたので転送。
このウェブサイトの感じといい・・・なんだか、ぷぷっと面白い。




こちらは、以前このブログでもお伝えした、10万個の空き缶で作ったお城
カーノス・キャッスルの特集。こんな渋い人だったとは・・・・・・。
ご参照:http://ameblo.jp/altru-art/entry-11630167440.html





アレイスター・クロウリーも登場してしまいました。








オランダ発。人気革靴ブランドとサヴァン症候群アーティストのコラボ

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©Galarie Atelier Herenplaats



ぷるぷるアート・ヨーロッパ編。オランダの知的障害のあるアーティストを支援する、アトリエ ヘレン・プラーツ (Atelier Herenplaats) のアーティスト、ラーンさん(Laan Irodjojo) の作品が、同じオランダのブランド、 マスコロリ(MASCOLORI)と靴と靴下を発表。今までも様々なアートとファッションのコラボがあり、カバンや服のパターンはよく見ましたが、紳士靴というのは以外な路線!
ご参照:アートとグッズのコラボ集 http://ameblo.jp/altru-art/theme-10072196364.html



©Galarie Atelier Herenplaats


右上の作品が使用された作品。居住空間にも良く合いそうな、色味の統一されたシンプルな絵です。元の靴のイメージをそのままにデザイン性をアップさせている、素晴らしいマッチングですね!ところで、マスコロリはあまり日本ではまだ有名ではないかもしれませんが、オランダのロッテルダムにある革靴屋さんで、靴好きな方にはとても人気のあるブランドです。オランダに行った際は、ゴッホミュージアムと合わせて、是非足を運びたい場所の1つ!ファウンダーのお二人も、とても生気のある、若いデザイナーの2人。


マスコロリのファウンダーレイモンドさんとヨッヘンさん。
Raymond Landegent and Jochem Grund )
http://www.mascolori.com/




https://www.facebook.com/MascoloriFashion


どれを選んでいいか困るくらいの種類の色と模様ですね。お値段は1足おおよそ3万円程から。色違いや模様違いを数足購入し、その日の気分やファッソンに合わせて活躍させたくなります。



©Galarie Atelier Herenplaats


それにしてもこのラーンさんの作品との相性は秀逸。これだけ個性的なのにも関わらず、ジーンズからスーツまで、どんな服装にもマッチしそうです。ワンピースなどのテキスタイルにもいいのでは、と想像が膨らみます。


©Galarie Atelier Herenplaats, photo by Fred Brekelmans


ロッテルダムにある「モンデビデオ」という橋を描いた最新作品の前で笑顔をみせるのが、アーティストのラーンさん。彼はサヴァン症候群と診断されていて、フォトグラフィックメモリーと言われる目に見た建物などの記憶を強く保ち、それを絵に描く才能、突出した才能を持っています。

このサヴァン症候群というのは、以前『ATARU』というドラマの中で、スマップの中居正広さんが演じた主人公で有名になりましたね。ドラマでは特にその特殊能力のようなものが取り上げられたようですが、実際のところ、遠からず。この症状を持ったアーティストの中には、通常では考えられないような記憶力や想像力によって、精密に描かれた壮大な作品を残している方が沢山います。



©Laan Irodjojo, Schiedamsedijk Rotterdam, acrylic on canvas, 70 x 90 cm, 2009 



彼は建物、船、飛行機、電車、橋を好んで描きます。色はいつもとてもシンプル。ペールブルーと灰色をベースのアクリル絵の具を使い、最後に黒いインクで縁をとります。

このように建物などを描くことが多いため、作品には多くの「線」が登場するのですが・・・なんと彼のスケッチブックをよく見ると、一本たりともやり直したり、消しゴム等を使ったりした形跡がないそうです。さらに、実物と比べてみても、どの一本の窓の線やエアコンの線にも間違いなないそう。のほほんとした色使いの絵ですが、線を一つ一つ見ると、確かに力強く迷いのない様子が伺えます。


©Laan Irodjojo,  Leuvehaven Rotterdam, acrylic on canvas, 100 x 70 cm, 2009

港についた船。目に映る物を客観的に描く、そんな姿勢が伺えます。



©Laan Irodjojo,  Old Harbor, acrylic on canvas, 39.4 x 39.4", 2007

淡々と、好きなモチーフを描く。或るものをキャンバスに移す作業。



©Laan Irodjojo, Haringvliet, acrylic on canvas, 39.4 x 59.1", 2008

同じサヴァン症候群のアーティストを何人かご紹介していますが、西暦180年行こう、数万年先までの日にちと曜日までをコンピューターより早く言え、その神秘の暦を描いたジョージ・ワイドナー(George Weidner) さんや
ご参照:http://ameblo.jp/altru-art/entry-11981826571.html

不思議の国のアリスのアニメキャラから昆虫・動物を実直に描いた、グレゴリー・ブラックストック (Gregory Blackstock) さんの作品も思い出します。
ご参照:http://ameblo.jp/altru-art/entry-11969540768.html

ヨーロッパにも、フラッと足を運びたくなりますね。


雰囲気も新たに。Outsider Art Fair 2016

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毎年恒例、今やパリでも開催されて大盛況のアウトサイダー・アート・フェア Outsider Art Fair が、2016年1月21日から24日までニューヨークで開催されていました。

もうかれこれ6年ほどこのフェアを見てきていますが、アンドリュー・エドリン氏がフェアを買収してからは勢いが増し、既存のジャンルであったアウトサイダーアート、アール・ブリュット、セルフトートアート、などではない、いわゆる現代アート的なギャラリーの参加も増えてきたことが昨今の流れでしょうか。アメリカ以外からのギャラリーからの参加も年々目立ちます。

アウトサイダーという言葉自体に疑問を投げかける声もある中、少しずつですがフラットな展開になってきているのではないかなと感じています。




大混雑の初日。チケット売り場には列が並びます。



思わず目を引く個性的な方も多いです!カメラをぶら下げたメディア関係の方も多く、フォーブズForbes 、ニューヨークタイムズ New York Timesハイパーアレルジック Hyperallergicニューヨーク・ポストNEW YORK POSTハフポストHUFFPOSTアートinアメリカ Art in Amerca などを始め、様々なメディアに取り上げられていました。


入り口付近にブースを構えるのは、ロンドンからやってきたロービジョンマガジン Raw Vision。親愛なるエディターでディレクターのジョン(John Maizels) さん。日本でロービジョンを購入される場合はこちらが便利です☆ 最新号を頂いてしましました♡


それでは中へ・・・・・・・・

と思ったら!






まさかのフリードリフヒ・ゾンネンシュターンのカバンを発見!!
こんなカバンに巡り会えるなんてマニアには涙ものです。迷わず購入。



鼻息荒いまま会場へ。



今回は60ギャラリーが参加。毎年の常連ギャラリーから、新参のクロスジャンルなギャラリーが展示する作品を楽しめました。初日とあって、ギャラリストも気合が入ります。やはり初日にくる観客は何かしら、我先にレアな作品をゲットしようという鼻息があるのです。



素敵な壁掛け作品を発見




作家ルイス・エスタペ Louis Estapeさん。作品と本人のギャップはいつも見るものを楽しませてくれます。というか私の楽しみの1つです。一生懸命読んでいると、なにやら視線を感じ、振り向いてみました。ら、とても迫力のある方がいたので、写真を撮らせてもらいました。




円熟しきったプラダのカバン。まるでエルメスのバーキンをもったジェーン・バーキンを彷彿とします。しっかりと握手をしてもらって会場の回遊を続けます。




完全に現代アートのブースだった、ワンマイルギャラリーOne Mile Gallery



フランスから参加しているギャラリーPolysemie。ブースの外側には、新進作家と思われる緻密なモノクロの作品が飾られていましたが、ブースの中はオーギュスタン・ル・サージュ (Augustin Lesage) からアロイーズなどトラディショナルで値段もハイパーなアウトサイダーアートの作品が展示されていました。欧州からくるギャラリーは持ってくるものの質が違いますね。


近寄ってみた。



良い雰囲気だった、作家さん二人組。




障害のあるアーティストを支援するLANDギャラリーでは、名物ディレクターのマシューさんが今日も元気ににんにくポテトチップスを食べていました。「1枚どお?」とすすめてくれましたので、ありがたくいただきました。




このギャラリーでも私の気に入りの作家マイケル・ペロー Micheal Pellow さん。細かいところまでいつも見入ってしまいます。




メタルミュージックのオールスターが、皆さんをニューヨークシティにウェルカムしています。よくみると、レディーガガとかテイラー・スイフトの名前までありますが、とにかく豪華なメンツです。





そんな生粋のニューヨーカーなマイケルさんはこちら。その他にも、障害のあるアーティストの作家活動を応援するNPOギャラリーも沢山お目見えです。




ピュアビジョンアーツ。以前にこのNPOの施設をお伺いした記事はこちら。 




NY最大規模の、精神障害を患うアーティストをの為の施設から発生した、ファウンテンハウスギャラリーFountain House Gallery。ディレクターのアリエルさんとアートディーラーのフィオーレさん(と私)。



購入しようか本当に検討した、カリフォルニアから来ていたクリエイティブ・グロウス (Creative Growth)の オーリー・ラミレス(Aurie Ramirez)さん。このギャラリーはアメリカ西海岸にとどまらず、新しいマーケットに常に挑戦する面白いギャラリーで、2015年にはアートフェア東京にも小出由紀子さんのギャラリーと共に出展しておりました。アジアへの進出も視野にいれて活動中のようです。




お腹が吸いたので途中でフランスパンのサンドを食べていると、段々混んできて歩きにくくなってきました。


さらりとお買い上げしそうな紳士に、作品の裏側をみせるギャラリスト




ブースの出店者から「君はココを知っているか、いつもシンプルで質が高いんだ!」と連れて来られたのが、小出由紀子(Yukiko Koide Presents) さんのブース。昨年ハイパーアレルジックで紹介されて完売したMomoka Imura さんの作品が並びます。


興味深げに写真をとる男性




それではみなさん もう春ですね。
色々、色々、




GOOD LUCK!



Google セルフドライビングカー×障害のあるアーティストの作品

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グーグルセルフドライビングカー (Google Self-Driving Car) をご存知でしょうか。スタンフォード人工知能研究所で、元ディレクターのGoogleエンジニアのセバスチアン・スランさんと、Google ストリートビューの発明者が共同で主導しているプロジェクト。2015年からそのプロトタイプが路上走行テストを開始していました。プリウスやレクサスに自動運転機能が搭載されている、このまるっとかわいい車体。セルフドライビングって、要は、勝手に走るのです。だから、ハンドルがないのです。



手を握り合う親子。ハンドルないと便利ですね。




テストドライブを体験するおばあちゃんも、最初はちょっと怖そうにしていますね。それでもそのうち、「昔は乗り物にハンドルあったらしいよ!うっそ~!」みたいになるのでしょうね。 ※ちなみに、今年の3月にこのテストカーが公道で走り、後方から走行してきた路線バスの側面に衝突した事故がニュースになっていました。実用にはもう少し時間がかかるでしょうか・・・。


さて、このブログでこの車をとりあげたのは、ボディのドア部分の余白にアート作品が使用されたからなのです。グーグルが選出した作品のコンセプトは、

"my community my neighbors"  
自分の周りのコミュニティ、ご近所さん

野菜でいえば、地産地消みたいな感じでしょうか。カリフォルニアとテキサス・オースティンのローカルのアーティストの作品から16作品が選ばれたのですが、その中に、クリエイティビティ・エクスプロード (Creativity Explored) という、カリフォルニアのサンフランシスコにある障害のあるアーティストを支援するNPO団体から作家が2名採用されています。トップ画像の作品のケイティ・トンプソン (Kate Thompson) さんと、下の作品、ジェイムズ・マイルズ(James Miles)さんです



ジェイムズ・マイルズさんは以前にもイタリアのチョコレートブランド、ルチェッティ (Recchiuti) で、作品がチョコレートの表面にプリントされたりもしている人気の作家。

そもそもこのクリエイティビティ・エクスプロードは、日本を代表するブランド、コム・デ・ギャルソンのデザインや、CB2(日本で言うとおしゃれなニトリというか、IKEAみたいなものでしょうか。アメリカでは誰もが知っているブランドです。)のクッションやカーペットにも作品を提供している団体なのです。

今まで数多くの障がいのあるアーティストを支援するNPO団体を訪れていますが、場所の雰囲気・スタッフの感じとも、一番素敵だったのは正直ここだと思っています。



http://www.creativityexplored.org/blog/blog/google-self-driving-cars-with-artwork-by-james-miles-and-kate-thompson?platform=hootsuite



こういう素敵な団体と夢のある企画のコラボはいいですね。そのうち宇宙飛船の柄になったりとか、宇宙服の模様になったりとか・・・夢は膨らみます。

ご参照:アート作品がコラボした記事はこちらにまとめてあります。

自閉症の息子を撮った写真集「Echolilia」エコリリア 2冊発送可

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All Photos © copyright Timothy Archibald all right reserved.


この写真集を見つけてブログ記事を書いたのが、2013年の10月でした。
自閉症の息子を撮った写真集「Echolilia」エコリリア

このブログを書いた後、沢山のメッセージをいただきました。本当にありがとうございました。


All Photos © copyright Timothy Archibald all right reserved.


自閉症である息子の儀式のような「こだわり」を、写真家としての客観的な視点と、父親としての愛情をもって撮影されたティモシーさんの作品集。

タイトルのエコリリアは、Echolalia 反響言語からの造語なのですが、リリアという方が音の響きもよくて素敵ですね。特に自閉症のお子さんを持つ家族の方や、お知り合いの方には、その崇高にも見える日常の断片に、共感していただけるように思います。



All Photos © copyright Timothy Archibald all right reserved.






All Photos © copyright Timothy Archibald all right reserved.

写真の質と内容と、なかなか鮮烈に発表されたこの作品。様々なメディアでも取り上げれましたが、なかなかメジャーに出版するにはいたりませんでした。紙媒体は今大変なんですね。知人の編集社の方にも聞いてみたところ、やはり、部数、売れるか売れないか。そこになるようで。

ブログを読んで頂いた中かから、この写真集を購入したいという要望もいただいたのですが、発送や値段(自費出版であるため、2万円は軽く超えます)の問題もあるため、なかなか対応しきれずでした。

今回フォトグラファーであるティモシーさんから、2冊分だけ譲り受けましたので、本当に興味のある方のお手元に届けばと思います。

数に限りがるため、ご連絡いただいた順になるかと思います。
値段や発送方法もお伝えさせていただきます。
ご興味のある方は、以下へご連絡ください。

purupuruartアットマークgmail.com
※アットマークのところに@を代わりに入れてください。

追ってお返事差し上げます。

よろしくお願い致します。

サンフランシスコ国際空港でアート展開催中。「Art and Disability」

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各空港にはアートを展示できるスペースが色々とあります。その空間を利用して、ギャラリーとして機能させている空港も多いです。現在サンフランシスコ国際空港にて、NIAD、クリエイティブ・グロウス(Creative Growth) 、クリエイティビティ・エクスプロード (Creativity Explored) から選りすぐりの作品が出展されています。(9月18日まで)




サンフランシスコにはもともと障害者とアートを支援する施設も多く、また、各施設もそれぞれの個性をもったまま多角的に活動をしているので、毎回新しニュースを見るたびに楽しめます。

参加作品の中でもとりわけ私がきになった作品が、クリエイティビティ・エクスプロードの作家たち。




ジェラルド・ウィギンズ (Gerald Wiggins) さんの作品。
ペン画かと思いましたが、デジタル作品なのですね。

「自分のアートについて、特に何かを言う必要はないんだよ。
ただ、みんなをHAPPYにしたいだけ。
みんな十分幸せな感じには見えないからね。」




Gerald Wiggins 
Girl and Fox , Year: 2014, 7 x 5 inches, Digital Print 



Gerald Wiggins 
Man and Tiger, Year: 2014, 7 x 5 inches, Digital Print 



少女ときつね それから、男と虎。素晴らしいね。
同じくCreativity Explored から




ピーター・カルドバ(Peter Cardova)さん




ジョン・パトリック・マッキンゼー (John Patric Mackenzie)さん




ダニエル・グリーン (Daniel Green) さん
ダニエルさんは以前もご紹介していました、彼のモチーフは、言葉と人。




空港という場所は特殊な場所ですね。どこかへ長距離移動する人が利用する施設なわけです。ビジネストリップの方もいるでしょうが、日常を離れるつかの間の気持ちの隙間に、ふと目にとまるアート作品というのは、何か自分にとって、重要な意味があったりして?

空港を初め、公共の施設において、心が「ぷるぷる」と震えるアート作品展が増えることを祈ります!


障がい者でも犯罪者でもみんな、絵を描くのは、調和をめざしているのかもしれない。

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https://www.flickr.com/photos/14029976@N08/2051112730/


先日のブログに、娘さんが16歳の自閉症スペクトラム障がいのある方からコメントをいただきました。

『描きたい…
表現したい…
そんな純粋な心だからこそ、訴える何かがあるのでしょうね。』

これまで何度も思ってきたことではあるのですが、アーティストは(障がいあるなしに関わらず)どうして絵を描こうとするのだろう?と久々考えていました。

そんな時、久石譲さんがオーケストラとコーラスによるジブリの演奏をしている動画を見て、それから「嫌われる勇気」という本を読んで
思うことがあったので、書いてみました。

動画を再生すると、久石譲さんのピアノ・ソロから始まります。

その1分後くらいから、カメラがコーラスの人たちをクローズアップし始め、ポニーテールだったり、背の高めだったり、メガネの人がいて、あ、人間が集まってうたってるのね と、ひとりひとりの人間臭を突如感じます。




でもまた全体が映された時には、そんな個々人の事は頭から消えていきます。


アドラーの心理学をわかりやすく対話形式で綴られた「嫌われる勇気」という本の中で、人生のタスクについて書かれています。

他者に貢献すること
一般的な人生に意味はない。あなた自分自身に与えるものだ

そんな件があり、

いわゆる「善行も悪行も」、どうやら全体の調和(平和とかじゃなくて)をとるために行っているらしい。

この
ポニーテールも背高もメガネも、それぞれが障がい者なのどうかも、ましてやその人が幸せだかどうかなんて、聴衆にはまったく関係ありません。興味もわかない。全体を感じにきてるだけです。

そう思うと、「わたしが、おれが」と本当は目立ちたい人もいるだろうに、みんなそんな一生懸命歌ったり演奏したりしなくてもいいのに

でも、オーケストラの演奏の調和への貢献のために、自立しつつも協力しているのだなあと思えて、胸を打ちます。

そして、まさに絵を描いているのも、つきつめるとこの感覚なのではないかと


冒頭の絵。私にとって一番思い出深い作品です。オーギュスタン・ル・サージュ (Augustin Lesage) という、1867年にフランスに生まれた炭鉱夫で、ある日「絵を描け」という神の掲示を受け、一生かけて絵を描きました。

当時ちょっとした自身のコンプレックスさえ乗り越えられなかった私にとっては、こんな素直に心のぐちゃぐちゃな部分を描いて、正直すぎやしないだろうかと思った、衝撃体験でした。

このくちゃくちゃな人生を送ったフランス人のルサージュも、幼児性愛犯罪者だったドイツ人・フリードリッヒ•ゾンネンシュターンも、米国で史上最悪のシリアルキラーと呼ばれ、ピエロの絵を制作したジョン・ウェイン・ゲイシーも、どんな現代アーティストも、

自分の思いや特性に素直に「絵を描く」ということは、それを通して、調和(必ずしも平和とかではなくて)への貢献をしているのだとも思えます。

それは俯瞰でみると、オーケストラの一員として曲を作っているようなことなのかもしれません。



余談ですが、

もしもいま、身近に理解不能な行動を取っている人がいたとしても、その人が必死でやっていることであれば、それも 

「調和したいんだな」 

という目でみることもできるかもしれない。

それを自分事として考えると、合唱においては「他の人も歌っているから私は怠けても対してかわらんや・・」と思うよりも、どんなことでも今日1日を精一杯味わい尽くすぞーという気持ちが、湧いてきます。


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